日本人である私(母)がアメリカで子育てすれば、子供は勝手にバイリンガルになると思っていました。バイリンガルといっても色々なタイプがあるかと思いますが、私のイメージっだと、英語も日本語もペラペラに会話レベルが話せるというイメージでした。しかし、フルタイムで働いていて、旦那が日本語をしゃべらないとなると、これが困難な目標だという事が分かりました。
幼児期に日本語に触れさせるアプローチ
実体験からすると、幼児期(1から3歳)までにどれだけ日本語に触れさせるかがキーになるのではないかと感じます。この時期に仕事をせずに専業主婦で子供と過ごしたママは、ずっと日本語で話しかけれるので、子供が自然に日本語で会話ができるレベルまでになり、小学生になっても普通にママと日本語で会話ができているのを見かけます。
私の場合は、結構日本語に触れさせようと、幼児期は日本語の歌のYoutubeをみせたり、しまじろうの教材(ベネッセ)を毎月購読して一緒に遊んだり、週末1-2時間の日本語クラスに通ったり、保育園の送り迎えの車では”あいうえお”の歌を歌ったり、家に居る時はずーっと日本語でしゃべるようにしていました。
使った教材(ベネッセのしまじろう)は楽しく、年齢に合った内容ですし、子供もはまっていましたし、日本語のYoutubeも幼児は歌の手遊びなどは好きなのでそこで、大分日本語も覚えました。
バイリンガル、理想論と現実のギャップ
しかし、時間が足りない。それ以上のスピードで現地の先生やお友達との生活で英語をマスターしてしまいました。
”家に居る時”の時間が仕事をフルタイムでしている場合は、十分ではないということに気が付きました。平日は10時間くらい現地の保育園に行くので、英語ずけ。家に帰って寝るまでの時間は幼児期は2時間くらい。週末はずっと一緒に居ても、週の2日だけ。家事に追われがちで実際に子供とちゃんと過ごす時間は限られてきます。なので、英語のカップの方がどんどんいっぱいになっていき、初めての言葉も英語で少しずつでてきます。初めて、言葉を言い出した事に嬉しすぎて、それを日本語で言い直すのも心が折れてしまい、だんだん、英語で返すようになり、日本語の頻度が少しずつ減り、英語がメインになってしまうという結果になってしまいました。
周りは”英語は勝手に学校で覚えるから、家では日本語でしゃべり続けた方がいいよ”という話はよく聞いてたし、重々承知はしていたのですが、やっと ”ラビット”とか”エレファント”とか覚えてきたのを言っている2歳児に、”いやいや、これはうさぎだよ”と言い直すのはとても大変。日本語をそれでも教えるという事はそこで強い意志と信念を突き通さないとダメだなと振り返ります。
4-5歳になれば、もう現地の言葉でほぼよくしゃべるようになるので、慌ただしい毎日の生活で日本語で優しく聞き直したり、ぽかーんとしている娘にわざわざ日本語でまず質問する、というのは実際忍耐が続かず、結局英語に流されました。現在6歳の娘は、今でも大体の動物の名前や基本的な単語は日本語で言えますが、会話は日本語では成り立ちません。私が言っている内容は雰囲気とか使う頻度で理解している部分も多いようですが、返答は全部英語です。
日本語を教えて6年後の成果は?やれば良かった事は?
本人は今でも嫌がらずに週末の日本語学校に通い、ひらがなとカタカナは書けるようになってはいます。これは、週末の日本語学校の成果。家では読み書きは全く進めていなかったので、現地校の先生に感謝です。これで、どうにかひらがなとカタカナのサインを日本に行った時に読めればよいなと思います。こちらもイライラせずに、日本語を細く長くサポートしていつか何かの力になればいいな、という考えで暮らしています。
今考えれば、”英語はママは上手く話せません”というスタンスで(旦那が英語しか話せないので夫婦の会話をどうするかは問題ですが)子供の前では日本語を突き通せばよかったな、という気はします。これは、イギリス人の日本在住のパパ(奥さんは日本人)が自分は子供をバイリンガルにするために子供の前では日本語を話せない振りをしている。と言っているのを聞いて、なるほどな、っと思ったのです。
以上、過去6年間のバイリンガル育児の挑戦を振り返って経験と感じた事をまとめました。当時の努力は無駄ではなかったと思いますが、成功した例でもないので、今後、海外生活でバイリンガルの子育てを目指す方の参考になれば良いと思います。挑戦はまだまだ、続きます(笑)
